竜王の娘 中国幻想選 感想

2021年06月18日

※この記事には「竜王の娘」と「蓬莱トリビュート」のネタバレ・内容バレが含まれるのでご注意ください。

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鮫島圓先生の「竜王の娘」を読んだので感想です。 この作者は2年前くらいにTwitterで「蓬莱トリビュート 中国怪奇幻想選」(前作)のこと知って読んでから好きでした。

今作の表題作「竜王の娘」は唐代(8世紀末)に書かれた柳毅伝っていう小説が原作らしく(コトバンク)、中国の古典文学とか説話をコミカライズするっていうスタイルは文化的でいいですね。 コミックとかじゃないと中国の昔話なんてあんまり読まないからね〜。

柳毅伝は全然しらなかったけどコトバンク(ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典)に ”後世広く読まれ,元代の戯曲『柳毅伝書』『張生煮海』などはこの物語に基づいている。” って書いてあるので、中国ではわりと有名な話なのかもしれん。

あらすじは、科挙に落ちた柳毅が、幽閉されている竜(≒貴族)の女性の霊珠に出会ってその救出に重要な役割を果たし、なんやかんやあって霊珠と結婚して自分も竜になるっていう話。

この結婚にいたるまでのくだりがすっごく良かったです。

恩人だからという理由で竜側の親族から婚姻の提案があるんですけど、「恩を売った勢いで妻にするのはダメだろ」的な感じで柳毅は(死を覚悟で)婚姻を断るんですよね。 でも柳毅は内心では霊珠に恋をしていて、この竜の姫のことを一生ひきずるつもりで一人寂しい暮らしを何年も送ってたら、人間に化けた霊珠が会いに来てくれるっていう。

主人公の真っ直ぐさ、不器用さみたいなのが愛おしく描かれてて涙腺ゆるみました。

絵の話すると、絵柄がカワイイのはそれとして、「過去の思い出をひきずり続ける柳毅の、不健康な生活を送ってそうな感じ」とか「人間のふりして会いに来た霊珠の、急に家庭的な感じ」とかの、心理描写的に重要な要素が絵に表れてて良いです。 なんかこう…良いですね(説明不能)。

前作の「蓬莱トリビュート」を読んでたので、今作もどうせ主人公は幸せにならないんだろうと思って読んでたんですけど、ハッピーエンドでしたね。

蓬莱トリビュートは本当にバッドエンドな話が多くてかなり読者を選ぶっぽいんですけど、自分はかなり好きでした。 一番好きだった話は「狩人が人間に化けた狼と結婚したけど、嫁ちゃんが夜な夜な出かけるものだから、狼に襲われたら危ないと思って狼駆除の毒肉を仕掛けたところ、嫁ちゃんが毒肉を食べて死んじゃう話」。

説話とか昔話って、「鶴の恩返し」とか「浦島太郎」もそうですけど、主人公が理不尽な理由で不幸になって、そこからなんらかの教訓を読み取れたり読み取れなかったりする話が多くて、それをそのままコミックにしてるので、独特なリアリティー感があって面白かったです。


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