プログラマーが大学入学共通テスト「情報」のサンプル問題を解いてみた感想

2021年03月25日

プログラマーが大学入学共通テスト(旧センター試験)の「情報」のサンプル問題を解いてみた感想です。 サンプル問題は大学入試センターのウェブサイトの2021.03.24付の報道発表「平成30年告示高等学校学習指導要領に対応した令和7年度大学入学共通テストからの出題教科・科目について」のPDFファイルから閲覧できます。

大問1: アラカルト知識問題

大問1はいろんなテーマの中問が4つ入ってます。

中問1は大地震(震災)の直後の連絡手段としてなぜSNSやクラウドサービスが有益だったかみたいなテーマで、インターネットの特徴について選択肢から選ぶ問題。 インターネットの特徴としておかしい選択肢を消していけば消去法で解けます。 TCPパケットの再送について言及してる選択肢もあるので、知らないと間違えるかも。

中問2は「発表でこういうデータをまとめるにはどの図表が適当ですか」みたいな問題でベン図とか4象限マトリクスとかPDCAのあの回ってる図とかを選ぶ問題。 こんな出題出るんだ〜っておもしろい気持ちになりました。

中問3はデータの標本化とか量子化とかの用語の確認と、アナログとデジタルの違い(アナログと比べたときのデジタルデータの性質)について問う問題。 選ぶだけ。

中問4はIPアドレス(IPv4)がネットワーク部とホスト部に分かれていて、そのサブネットにいくつホストが割り当てられるかみたいなのを聞いてくる問題。 10進数を2進数に変換する手計算をしないと解けない箇所もありますけど、暗算で変換できるレベルなのでそんなに間違える箇所はなさそう。

大問2: ソースコード空欄補充

大問2はソースコードの空欄補充でした。 IPAの基本情報技術者試験の午後問題を簡単にしたみたいな感じ。 最近プログラミング教育が流行ってるので情報っていう科目もプログラミングがいっぱい出てくるのかな〜と思ってたんですけど、プログラミングっぽい出題は大問2だけでした。

比例代表制の選挙で、各政党の得票数が与えられるので、獲得議席数を計算するプログラムを作ろうっていうのが話の流れ。 最初のバージョンのプログラムでは、獲得議席数に小数点以下の端数が出てしまって、切り捨て・切り上げ・四捨五入のいずれもうまくいかず、次のバージョンでドント方式(日本でも使っている議席配分法)を実装するっていうストーリー展開をします。

なんでドント方式のような特殊な計算方法が比例代表選挙に必要になってくるのかというのを実体験的に理解することができて、なかなかの良問だと思いました。

ソースコードは

Tomei = ["A党", "B党", "C党", "D党"]
Tokuhyo = [1200, 660, 1440, 180]

みたいな感じで、変数名がいけてなかったり、添字の一致で政党の得票数を表現するデータ構造がいけてなかったりと、色々ひっかかるものはあるんですけど、まぁ変数名を英語にしたり、連想配列や構造体を使ったりすると、出題の要件的にたぶんダメなんでしょうね。 しょうがないですね…。

空欄補充はif文の中身を補充したり、計算式の一部に変数名を補充したりする感じで、「その行で何をやっているのか」というコードの意味を把握できていれば解ける問題でした。 たぶんここでプログラミング的思考とか論理的思考力とか呼ばれてるやつを問うてきてます。

クイックソートとかそういう系のアルゴリズムらしいアルゴリズム要素は何もないんですけど、コードを読むことに慣れてない人はここでちょこちょこと間違えてしまいそうなことは想像できます。

大問3: 統計的データの読み取り

大問3はサッカー部のマネージャーの鈴木さんが「強いサッカーチームと弱いサッカーチームの違いはどこにあるのか」というテーマで研究するっていう内容。 収集したデータに対して、各チームの1試合あたりの

  • 得点数
  • ショートパス本数
  • ロングパス本数
  • 反則回数

といったデータについて、予選敗退チームと決勝進出チームに分けて相関係数の計算や回帰分析が行われていたり、平均値や中央値(四分位数)、分散、標準偏差が載ってる表がズドンとあったり。

大学のときってこういう「ゴールがあるかどうか分からないデータ分析」をする機会がしばしばあったので、自分のパッとしない学生生活を思い起こされてスンッとした気持ちになりますね。 これから大学生になろうとしている受験生にこのスンッ感を浴びせようとする出題者の姿勢にはエモさを感じます。

知識的には「正の相関」「負の相関」「偏差」「中央値」「回帰直線」あたりを把握してれば、あとは気合で解けます。 選択問題も、データと照らし合わせて正しいか間違ってるか判定していくだけなので、集中力さえ途切れなければ難しくはないです。

大問3はプログラミング的要素は無いんですけど、実際のデータから正しく知識を抽出できるかっていうのは仕事でも研究でも必要になってくる大切なことなので、情報科目の入試問題として良問だなと思いました。

情報サンプル問題を解いてみた感想まとめ

このサンプル問題を読みながら実際に解いてみたところ、正答率100%(百点満点)でした。 あんまり難しくはなかったです。 IPAの基本情報技術者とか持ってる人がこの問題を解いたらだいたい100点になるはず。

ITっぽい問題は大問1の3(画像のデジタル化)、大問1の4(サブネットマスクの計算)、大問2(ソースコードの空欄補充)の3つで、それ以外は「大学生になるならこれくらい分かるでしょ」みたいな、どことなく公民っぽい問題。 ITっぽい問題と公民っぽい問題が半々って感じでした。

ザ・プログラミングって感じの問題は大問2のみ。 そしてこれもアルゴリズム問題としてはぜんぜん難しくなく、プログラミング技能を点数化しようっていう雰囲気の試験ではなかったです。 このあたりは解く前のイメージと違いました。

以上〜


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