クトゥルフの呼び声(コミカライズ版)感想

2021年03月23日

田辺剛によるコミカライズ版ラブクラフト傑作集「クトゥルフの呼び声」(ビームコミックス)を読んだので感想です。 ネタバレ・内容バレを含む感想なので許容できない方はご注意ください。

クトゥルフ神話って?

クトゥルフ神話は1920年代ごろからアメリカの小説家ラブクラフトを中心に構築された世界観(設定集)です。 太古より地球に眠っていた邪神が目覚めて、人類がみんな狂気に染まって死ぬみたいな世界。

よくゲームの設定に使われるほか、日本だと「這いよれ!ニャル子さん」のヒロインであるニャルラトホテプさんがクトゥルフ神話の邪神なので、これで一気に有名になった感じがあります。

わりとみんなクトゥルフ神話というのがあるらしいということは知っていても、原作の小説群は読んでなかったりします。 かくいう僕もぶっちゃけ一冊も読んだことないクチなんですけど、ビームコミックスから「クトゥルフの呼び声」のコミカライズ版が出てるのに気づいたので読んでみました。

おおまかなあらすじ

あらすじとしては、1926年ごろのイギリスで主人公サーストンが考古学者であった大叔父の遺言書から「クトゥルフ教団」なるものの存在を知っていろいろ調べるお話。 ちなみにクトゥルフ教団について知ってしまうとクトゥルフ教団に殺されます。 考古学者の大叔父もそれで死にました。

主人公サーストンも例に漏れずクトゥルフ教団に殺されてしまっており、読者がいま読んでいるこれは小説ではなくサーストンの遺言書だという体裁をとっているようです。 つまりこの遺言書を読んでしまった読者もクトゥルフ教団に殺されることが暗示されています。 怪談で「この話を聞いた人のところにもお化けが来る」といった締めくくりがありますが、あれの凝ったバージョンですね。

英語の小説版で読むとこの「遺言書である」という設定にリアリティがあるのかも知れないですが、コミカライズ版だと映像として頭に入ってくるので遺言書を読んでる感はあんまりないです。 その分、迫力のある絵柄で教団のむごたらしい儀式、ルルイエでの奇怪な現象、クトゥルフのおぞましい姿が描かれていて大変よかったです。

伝統あるクトゥルフ教団

フングルイ ムグルウナフ クトゥルフ ルルイエ ウガフナグル フタグン(死せるクトゥルフ ルルイエの館にて 夢見るままに待ちいたり)

クトゥルフ教団の伝統がね〜本当に長いんですね。

偉大なる古き神々(旧支配者)は星々を渡り、人類が誕生するより以前にこの地球に降り立ったとされています。 その後、天体の位置の関係によって力が弱まり、ずっと深海で休眠中。 もし天体の位置が変わればまた復活して地球を支配する。

いまは夢を通じて人間の精神に狂気を与えるだけですけど、昔はいまより力が強く、もっと直接的に人間の精神にメッセージを送っていた。 そんな期間が数百万年ほど続いたとされています。

数百万年ってすごいですよね。 ヒトとチンパンジーが分岐したのが700万年前くらいで、アウストラロピテクスが出現したのが400万年前くらいらしいので、人類の歴史のうちの大部分でクトゥルフからのメッセージを受信し続けていたことになります。

つまりクトゥルフ教団こそが本来の人類の宗教なんですよ。

日常だと思っているものが実は幻想で、人類は狂気に染まって死ぬ運命から逃れられない、むしろそれこそが人類の本来の姿である、みたいな感触。 宇宙的恐怖(コズミックホラー)。


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